モデナのワイン、ランブルスコ


モデナのあるエミリア・ロマーニャ州は、イタリアの他の州に比べるとあまり有名なワインはありません。
特にモデナを含むボローニャから西の地域(エミリア地方)では、イタリア最大のポー川領域に広がる平地のため高品質のワイン作りには向かず、量産できるワインが主に造られています。
そんなモデナ地方のワインと言えば「LAMBRUSCO ランブルスコ」!
最近では少しずつ日本でも手に入るようになってきたようですが、イタリアワインでは珍しい発泡性赤ワイン。
シュワシュワとした口当たりが軽く、飲みやすいテーブルワインです。
モデネーゼ(モデナに住むイタリア人)たちは、食事と一緒にランブルスコを水の様に飲む人も多いです。

2〜3月の時期には多くのワイナリーでGAMIGIANA(ダミジャーナ)という大瓶で買うことができます。
私がいつもワイナリーで買っているランブルスコは、750mlの瓶入りだと2〜3ユーロなのですが、同じ物を大瓶で買うとなんと1Lで1ユーロちょっと。
大瓶で買ったランブルスコは、各家でそれぞれ瓶詰めされます。
買った時には発泡していないランブルスコですが、栓をした後2ヶ月ほど置いておくと自然に発泡してきます。
(発泡の力が強くて、中には破裂してしまう瓶もあるとか・・・)

私が以前借りていた家の大家さんは、毎年2月になると1年分のランブルスコを大瓶で買い、自分で瓶詰めをしてガレージに保存していました。
その量、50L入りの大瓶×6=300L!!
毎日たくさん飲むモデネーゼたちには、欠かせないシステムの様です。。。


【ランブルスコのつくり方】

1.9月〜10月にかけてブドウの収穫の時期になると、収穫したブドウを搾り、一定温度に調節されたステンレスタンクに入れて約2ヶ月間発酵させます。
 ↓
2.温度と圧力を設定し、さらに約2ヶ月タンクの中で2次発酵させます。
この時、糖分がエチルアルコールと炭酸ガスに分解し、炭酸ガスがワインに溶け込むことで発泡性のワインとなります。



ランブルスコの種類


ランブルスコはランブルスコ種というぶどうからつくられるワインです。
モデナだけでなく、パルマやレッジョ・ネッレミリア、マントヴァ近郊でも作られています。
ランブルスコ種のD.O.C.ワインはこちら↓

*ランブルスコ・ディ・ソルバーラ(Lambrusco di Sorbara)
*ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ(Lambrusco Grasparossa di Castelvetro)
*ランブルスコ・マントヴァーノ(Lambrusco Mantovano)
*ランブルスコ・レッジャーノ(Lambrusco Reggiano)
*ランブルスコ・ディ・サンタ・クローチェ(Lambrusco Salamino di Santa Croce)

D.O.C.ワインについて(Wikipedia) >

モデナ地方のランブルスコのワイナリーのサイト(イタリア語) >



その他エミリア・ロマーニャ州のワイン


おいしい物はたくさんありますが、ワインに関してはあまり有名ではないエミリア・ロマーニャ州。
それでも、イタリアの他の州と同じように、それぞれの地方の郷土料理に合ったワインがたくさんあります。
エミリア・ロマーニャ州のD.O.C.G.ワイン、D.O.C.ワインを紹介します。

イタリアワイン法の分類についてはこちらを参考にしてください >

【D.O.C.G.ワイン】
*アルバーナ・ディ・ロマーニャ
1987年にDOCGに認められました。
辛口はしっかりとした味わいで、野菜のリゾットやパスタ、魚介類のグリルに合います。
中辛口はトルテッリーニなどの詰め物のパスタ、甘味類にも合います。
甘口は果実の甘さがあり、甘味類や食後に飲むのもオススメ。

【D.O.C.ワイン】
*コッリ・ピアチェンティーニ
ピアチェンツァ周辺で造られるワイン。
弱発泡性のものから長期熟成型のワインまでが生産されているが、赤の発泡性のものが全体の90%を占めています。
弱発泡性のものは若いサラミ類、白身肉のシンプルな料理などに合います。
辛口のものは赤身肉の料理や硬質チーズなどによく合います。

*コッリ・ボロニェージ
ボローニャ周辺で造られるワイン。
白、赤ワインがあり、フリッツァンテ(発泡性)とスプマンテが多く造られています。

*サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ
ボローニャから東のロマーニャ地方を代表するワイン。
適度のタンニンとほろ苦さが残る調和の取れた赤ワインで、サラミやハム類、ラザーニャや詰め物パスタなどに合います。

*トレッビアーノ・ディ・ロマーニャ
ボローニャからリミニまでの高速道路沿いで多く造られていて、スプマンテ、フリッツァンテもDOCに認められています。
このワインに使われるトレッビアーノ・ロマニョーロ種は麦色に輝くワインで、アルコールを感じる爽やかな辛口になります。
魚のグリルやフリット(フライ)、フリッタータ・ボロニェーゼ(ボローニャ風卵焼き)によく合います。

*コッリ・ディ・ファエンツァ
1997年にDOCに認められました。
白はトレッビアーノ主体、赤はカルベネ・ソーヴィニヨン主体で造られます。

*パガデビット
ラヴェンナとフォルリ県で造られる白ワイン。
パガデビットとは、イタリア語で「借金を払う」という意味になります。

*カニーナ
レフォスコ種主体の甘口の赤ワイン。




■ モデナからのオススメツアー


「モデナ近郊美食ツアー」
モデナ近郊にあるパルミジャーノ工場、バルサミコ酢工場と、ランブルスコのワイナリーが見学できる専用車でのツアー。
パルミジャーノ工場、バルサミコ酢工場では試食が、ワイナリーでは試飲があります。
その他、ご希望のワイナリーにご案内することもできますので、ご希望のワイナリーがある方はお問い合わせください。
(ボローニャ発着のコースもあります)

「1名様専用 モデナ近郊半日ツアー」
パルミジャーノ工場、バルサミコ酢工場、ランブルスコのワイナリーを半日で周るコースです。
パルミジャーノ工場、バルサミコ酢工場では試食もあります。
(ボローニャ発着のコースもあります)

「組み合わせ自由!モデナ近郊ツアー」
チーズやバルサミコ酢の工場、フェラーリ、ランボルギーニ博物館などの中からお好きな訪問地を選んで頂けます。
昼食はモデナ郊外の丘陵地帯にあるレストランで、モデナの郷土料理を楽しんで頂けます。
※クラテッロ工場の見学をご希望の方は、工場併設のレストランでの昼食となります。
(ボローニャ発着のコースもあります)

「組み合わせ自由!モデナ近郊半日ツアー」
モデナやボローニャでの短い滞在期間を有効に使いたい、という人にピッタリな、お好きな訪問地を半日で周るコースです。
お一人様からご参加いただけます。